おっぱいに“デキモノ” これって乳がん⁉
ひとえに乳房の“デキモノ”と言っても、様々な原因が考えられます。
「デキモノ」の多くは、ニキビ・粉瘤・イボなどの皮膚科の良性疾患であり、乳がんとの関運はありません。
⚠ただし、乳がんの進行に伴って皮膚の凹凸や色の変化,出血、潰瘍等が出現することがあります。また、乳頭の先端部が赤くなったり、皮膚がむけてジュクジュクしていたり、出血を伴う場合は、「Paget 病」の可能性もあります。
このような症状がある場合には、早めに乳腺外来を受診してください。
皮膚の“デキモノ”
◆ニキビ・粉瘤
◆湿疹・乾燥
◆イボ
外来でよく見かけるのは、ニキビや粉瘤などの皮膚科領域のものです。
また、何らかの原因で乳房や乳頭乳輪の皮膚に温疹(かぶれ等)ができたり、乾燥してカサカサしていたり、痒みが出ることもあります。
乳房や乳頭の皮膚にもイボができることがあります。皮膚と同じような色で、皮膚が丸く盛り上がっていたり、根本が茎状になっていたりします。
これらのほとんどは皮膚の問題で、乳がんとは関係ありません。
注意が必要な皮膚の変化
皮膚のへこみ・色の変化・出血・潰瘍
乳癌のしこりが大きくなることで、皮膚の変化が出る場合があります。乳房の皮肩が凹んだり、赤色や青紫色になったりする場合、その付近にしこりがないか確認が必要です。
さらに乳痛が進行すると、皮膚を突き破って腫瘍が露出し、出血したり、異臭を放ったりするようになります。このような場合は、早急に乳腺外来を受診してください。
乳頭の湿疹
特に、乳頭の先端が赤くなったり、皮膚がむけてジュクジュクしていたり、出血やカサブタを伴う場合、「Paget 病」の可能性があります。
「Paget 病」とは、乳頭の皮膚にできるがんのことで、最初は乳頭の先端部分から始まり、乳輪やその周囲の皮膚へ進展していくこともあります。非常に稀な病ではありますが、湿疹と似ていて気付かれにくい場合もありますので、乳頭の赤み、皮むけ、出血等がある場合は乳腺外来の受診をおすすめします。
乳輪の“デキモノ”
乳輪によく見られるイボやニキビのようなブツブツは、「モンゴメリー」と言います。
「モンゴメリー腺」は、汗を分泌する「汗腺」や皮脂を分泌する「皮脂腺」から成ると言われています。
汗や皮脂を分泌し、乳頭乳輪の皮膚を保護する役割がある器官ですので、病気ではありません。