横浜市遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)検査費等助成について
🌟横浜市では、「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の検査費等」に対する助成が始まりました🌟
概要
2020年4月から,卵巣がん及び一部の乳がん患者の方を対象にHBOCの検査(BRCA1/2遺伝子検査)が保険適応となりました.
一方で,血縁者がHBOCと診断されている方でも,乳がんや卵巣がんが未発症の方に対しては,自費で遺伝子検査やカウンセリングが行われています.
今回横浜市では,以下の要件をすべて満たした方において,検査等の費用に対する助成が行われることになりました.
- 令和6年4月1日以降に遺伝カウンセリングやBRCA1/2に関する遺伝学的検査を受けた方
- 両親または子どもまたはきょうだいが遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)である方
- 遺伝カウンセリング及び遺伝学的検査が保険適用外である方
- 遺伝カウンセリング及び遺伝学的検査に係る費用の助成申請の場合は、遺伝学的検査実施日に18歳以上69歳以下の方
- 遺伝カウンセリングに要する費用のみ助成申請の場合は、遺伝カウンセリング実施日に18歳以上69歳以下の方
助成費用
申請は1人1回まで
遺伝カウンセリング費用
補助率:支払金額の10分の7 回数を問わず上限1万円(初診料・再診料含む)
遺伝カウンセリングは検査前後どちらも助成対象となりますが、合わせて上限1万円です。遺伝カウンセリングのみで検査を受けなかった場合も申請できます。
自費の場合 5千円~1万円
HBOCに関する遺伝カウンセリング結果報告(2号様式)文書作成料
上限3千円
遺伝学的検査
補助率:支払金額の10分の7 上限3万円
対象の検査:BRCA1/2遺伝子検査、BRCA1/2遺伝子シングルサイト検査、遺伝性腫瘍の原因遺伝子を探るための多遺伝子パネル検査
自費の場合 一般的には10万円~20万円(医療機関や検査の内容によってそれ以上かかることも!!)
遺伝性乳がん卵巣がん症候群とは
遺伝性乳がん卵巣がん症候群 (HBOC:Hereditary Breast and Ovarian Cancer)
- BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子にがんの発症率を高める変化があることで,乳がんや卵巣がんを発症しやすくなる遺伝性疾患です.乳がんと診断された方では約5%,卵巣がんと診断された方では約15%が,HBOCに該当します.
- BRCA1/2遺伝子の変化は,親から子へ50%の確率で遺伝します.血縁者がBRCA1/2遺伝子の変化があると診断されている場合, ご自身が乳がんや卵巣がんと診断されていなくてもHBOCの可能性があります.
-
今までにがんと診断されたことのない方では,200~500人に1人がHBOCに該当すると言われています.
HBOCでは,どれくらい乳がんや卵巣がんを発症しやすくなる?
【乳がんの場合】
※一般的に,日本人女性が生涯で乳がんになる確率は10%程度.
・BRCA1遺伝子に変化がある場合:46~87%
・BRCA2遺伝子に変化がある場合:38~84%
【卵巣がんの場合】
※一般的に,日本人女性が生涯で卵巣がんになる確率は1.6%程度.
・BRCA1遺伝子に変化がある場合:39~63%
・BRCA2遺伝子に変化がある場合:16.5~27%
HBOCの可能性があるのはどんな人?
☆ご自身が乳がんと診断されており,以下の条件のいずれかに当てはまる場合
✅45歳以下で乳がんと診断された
✅60歳以下でトリプルネガティブタイプの乳がんと診断された
✅両側乳がんと診断された
✅片方の乳房で2回以上乳がんと診断された
✅血縁者に乳がん,卵巣がん,膵臓がんと診断された方がいる
✅男性乳がんと診断された
☆ご自身が卵巣がん,卵管がん,腹膜がんと診断されている場合
☆ご自身が膵臓がんと診断されており,以下に当てはまる場合
✅血縁者に,乳がんまたは卵巣がん,前立腺がん,膵臓がん,悪性黒色腫と診断された方が2人以上いる
☆ご自身はがんと診断されていないが,血縁者がBRCA1/2遺伝子に変化があると診断されている.
がん未発症の方でも,HBOCの可能性が疑われる方はいらっしゃいます.
一方で,がん未発症の方の遺伝カウンセリングやBRCA1/2遺伝子検査に対しては保険が適用されません.
横浜市では,このような方を対象として,検査等にかかる費用を助成しています!!
ご自身がこの助成制度に該当するかご不明な場合には、【E枠:乳腺外科】をご予約の上、乳腺外科医師にご相談ください。
(相談のみの場合は自費診察料:1,100円税込)